雨上がりの残り香
水瀬 玲奈
Kayōkyoku
About
昭和歌謡の黄金期を彷彿とさせる、哀愁漂うストリングスとピアノが印象的なバラード。情感豊かな女性ボーカルが、都会の孤独と過ぎ去った恋の切なさをドラマチックに歌い上げる。
Lyrics
最終の電車が プラットホームを滑り出し窓に映る見知らぬ顔が 少しだけ寂しげに見えた都会の灯りは まるで遠い星屑のようで手を伸ばせば 指先を冷たくすり抜けていく
角の喫茶店 琥珀色の珈琲の香りが誰かの記憶を そっと呼び起こす午後あなたの名前を 心の中でつぶやくだけで胸の奥の澱みが 静かに揺れ始める
季節が巡るたび 人は何かを置いてゆく拾い集めた思い出は 掌の中で溶けていくのに
愛しすぎたから 許せなかったの雨上がりの街角で 背中を見送ったあの日戻れないと知っていても 名前を呼ぶ声がする夜風に溶けて消える 淡い恋の残り香
古いアルバムに 閉じ込めたままの微笑み色褪せた写真の隅 指先でなぞってみるあの頃の私たちは ただ真っ直ぐに明日を見つめ傷つくことさえ 明日への糧だと信じていた
地下鉄の階段を昇れば また日常が始まる人混みに紛れて 私は今日をやり過ごす誰かとすれ違うたび ふと期待してしまうのはもう二度とないはずの あなたの気配を探しているから
時計の針が刻むのは 過ぎ去りし日の足音戻れない場所へ向かう 切符を握りしめたまま
愛しすぎたから 泣けなかったの夕暮れの交差点で 影が重なる瞬間にさよならさえ言えなくて ただ微笑んで見せたのはあなたに似合う私で ありたかったからなの
過ぎた時間は 戻らないと分かっているけれどふとした拍子に 胸を締めつける痛みは季節を越えて また巡りくるのでしょう忘れ去ることは 裏切りだと信じていた日々
愛しすぎたから 許せなかったの雨上がりの街角で 背中を見送ったあの日戻れないと知っていても 名前を呼ぶ声がする夜風に溶けて消える 淡い恋の残り香
明日が来れば また違う誰かを愛すのでしょうかそれでもこの胸の 一番奥にある鍵穴はあなただけが知っている 閉ざされたままの秘密の場所
街灯がひとつずつ 暗闇を照らしてゆく私はまた 何事もなかったように歩き出す遠ざかる足音が 夜の静寂に吸い込まれてまた明日が来る あなたを忘れるための明日が
雨上がりの残り香
水瀬 玲奈
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